ゴー宣DOJO

BLOGブログ
切通理作
2011.12.31 09:30

18歳未満はネット禁止!?

1月15日(日)に行われる
『第21回・ゴー宣道場』 のテーマである
「ソーシャルメディアの罠」について引き続き考えています。
僕みたいに、物書きで
活動の告知も含めて
ネットを利用しているような人間は、
そこで反応をくれる人たちを
無意識に世の中の標準として
考えがちですが、
たとえば講師仕事をしていて
出会う学生の中には
ツイッターなんか一度も
つぶやいたことがない、
身近じゃない人間に
何をつぶやくことがあるんだ・・・・
と普通に言っている子
たちがいます。
ゴー宣道場の門弟の人たちでも、
たとえば育児をされ、
周りの日常的なひとたちとの
つながりがしっかりある場合、
ネットなどは
「便利なツール」として以外に使うこともなく
「ヴァーチャルなコミュニケーション」
を求めていないという人が当り前にいます。
そういう人たちは、
ネット社会とは
往来に直に出るようなもので、
子どもが「知らない人と
話しちゃダメ」と言われるのと
変わらない危険があるという
警戒意識を持っています。
最近ではネットの使い方を
学校が教えてるとのことですが、
ネット社会の危険性への予防意識・手段を
どれだけ教えているのかなということを
僕は知りたいと思います。
子どもには刺激の強い映像・情報からのシールドの問題ももちろん、
自ら「発信者」になることの責任と重み、
他人の情報を取り扱うことの注意……
そしてネット依存になってしまうことの害や
たとえば携帯いじっていて目の前にいる人との関係を
おざなりにしてしまうことについて……
それらに対する危険信号をどれだけ発しているのでしょうか。
私見では、インターネットの検索の仕方、
メールの送受方法など、
学校で教えるほどのことであるとは思えません。
そんなものはすぐ覚えられますし、
またネットツールは出来る限り素人にも敷居を低く
し続けてきている歴史があります。
学校でネット教育をしなければならないとしたら、
ひとえに
無自覚に侵入してくるものへの
リテラシーの部分、そこだけだとさえ思います。
それこそが、まさに
大人が子どもに教えてあげられる部分じゃないかと。
もしそれがいちいちやれないというのなら、
18歳未満は一律に禁止してしまえば
いいと思います。
・・・・・・・と、
そう思っていたら、
かつて小林よしのりさんとも対談したことのある、
2ちゃんねる、ニコ動の創始者ひろゆき氏の
「ガキにネットを使わせるな!」という記事を発見しました。
「おお!タイムリー」と思ったので、
以下URL貼り付けます。
http://nikkan-spa.jp/117591
このひろゆき氏の意見に僕が着目するのは、
彼がネット社会と地域共同体との関係を
しっかり見据えていることです。

子どもは万引きなどオイタをして
叱られて成長するものである。
それを親やお店が狭い世界で決着をつけてくれるからこそ、
子ども時代のあやまちですまされる。

しかしネット社会では
そのあやまちが一生残ってしまうことがありえる。

「こんなようにネットは使い方を間違えるとデメリットが大きいので、
『みんなが持っているから』という
そこらへんのゲーム機やら漫画やらと
同じ理由で子どもに安易に使わせるのはどうかと思ったりするわけです。
使わせるにしても、デメリットを子どもが理解して、
親も何かが起きたら子どもの一生の枷となるリスクを理解したうえで、
初めて許可を出すくらいのほうがいいかと。。。
ということで、おいらは子供が自由にネットを使うのは反対なんですが、
一般的には違うんですかねぇ。。。」(ひろゆき氏の発言より)

このひろゆき氏の意見に対して
「じゃあニコ動閉鎖しろ」
「おまえは言うな」
との意見があるようです。
システムを作った当事者でさえ、
取扱いは注意しなければいけないと言っている
のに、妙に一般社会の方が容認的で、
なにもかもネットに向かって
開いていなければならない……
という強迫観念に
かられてる
ーーという見方も出来ますし、
システムを作った人間は
危険も十分に分っていて、
後でいけしゃあしゃあとそれを言う
ーーという取り方もできますが、
いずれにせよこの記事そのものは
きわめてまっとうな意見であり、
私は全面的に同意できます。

ネットというグローバリズムの中で、
そこと「付き合う」ということは
ただ無防備に「開く」ということではない。

ーーそのことを考えていきたいと思います。


××××××××××
平成24年1月15日(日)
『第21回・ゴー宣道場』 は「ソーシャルメディアの罠」。
ITジャーナリストの 佐々木俊尚氏 をゲストに、
ネットやツイッターやニコニコ動画などのメディアについて分析。
応募は返信用葉書で1/4(水)必着。まだ間に合います!
詳細はhttps://www.gosen-dojo.com/index.php?key=bbu4c6xk9-24#_24
切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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